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まず自分のニーズを明確にする

●やりがいか待遇か?

転職にあたっては、まず自分のニーズを明確にすべきです。自己実現のためなのか、また待遇向上やキャリアアップを目指すのか、転職の目的も様々なはず。従って、優良企業の基準も目的に応じて、人それぞれです。まず転職の目的を明確にしておかないと、自身にとってのベストな転職先など決まるはずがありません。
転職目的の大きなひとつに待遇の向上があります。仕事の目的のかなりの部分が、生活の糧を得るためだということを考えれば当然のことだと言えるでしょう。待遇とは昇給や賞与などの各種手当、退職金、インセンティブ、交通費、社会保険などを一般的に指します。この場合、賞与については回数や時期、金額が法律的に定められているものではないので、企業によってその内容は様々です。仮に「賞与○ヶ月」と明記されていても、月給の構成(基本給+手当など)によって算定金額は変わりますので、毎月の給与額の○ヶ月がもらえるとは限りません。また当然のことですが、賞与は年度の業績によって変動するものであることを十分理解しておくべきでしょう。また、単に目先の給料ばかり気にしていると、思わぬ失敗をすることがあります。たとえ給料が多くても、住宅手当がなかったりすると実質的な収入ダウンになったりする場合もありますので、各種手当などにも目を向けるべきです。待遇に関しては多面的に検討することが大切です。
しかし転職によって、誰もが簡単に年収が上がるわけではないことを承知しておくべきです。年収とは仕事の成果の対価ですので、転職先の企業にとって期待された結果が出ない場合には当然、降格や解雇もあり得ます。
転職理由のもうひとつの大きな理由に「やりがい」があります。「今の会社ではやりたい仕事ができないから」「やりがいを感じないから」という感情は、誰しも一度は持ったことがあるはず。しかし、転職活動で問われるのは、その「やりたいこと」を可能にするために現状でどれだけ努力しているかということです。何も努力せずに「やりたいことができない」というのは、単なる不満やわがままとしか受け取られかねません。
待遇にしてもやりがいにしても、独りよがりなものでは採用担当者の理解は得られません。客観的な判断や決断を下していくことが必要です。

●安定かベンチャーか?

以上のような点を踏まえて、安定した老舗企業か今後成長が期待されるベンチャー企業のどちらを選ぶのかということになるのですが、それぞれチェックするポイントが違います。
まず老舗企業の安定性を測るには、以下のような点をチェックするとよいでしょう。
トップシェアまたはロングセラー商品の有無…市場で支持されている商品を有無によって、市場ニーズに応える力を、その企業が持っているかどうかが分かります。
自己資本比率や借入金の状況…安定した経営資産を保有していると見られがちな老舗企業も、近年の資産価値の下落によって、含み損を抱えているケースもあります。上場企業であれば、財務諸表上の安定性の指標である「自己資本比率」を確認しておきたいもの。また老舗企業の場合、えてして高コスト体質ですので、借入金の額も要チェックです。借入金の適正水準は業界によって異なりますが、売上よりも借入金が多ければ要注意です。
一方、ベンチャー企業のチェックポイントは以下の通りです。
明確な経営理念の有無…単に「儲かりそう」では、事業は長続きしません。設立の目的や事業理念のない経営者の場合、いずれ事業を売却してしまう可能性もあります。
商品やサービスの独自性…ブームに乗り、他の企業をマネしているだけの企業は長続きしません。
組織の円滑な運営…「経営幹部が現場の意見を採り入れているか」「社員に権限委譲がなされているか」「社員の定着率」などをチェックしましょう。これらの要素は組織運営に必要不可欠です。
経営者を支える人材の有無…ワンマン社長では会社は成り立ちません。会社組織は経営者個人の力量だけでなく、組織としての力が問われます。経営陣の顔ぶれや経歴をチェックしておきたいもの。